【第785回】 足と腰腹を結ぶ

これまで合気道の技をつかうためには、先ず、手と腰腹を結び、腰腹で手をつかわなければならないとしてきた。そしてこれで技をつかわなければ決していい技がつかえないことが明白になったはずである。
さて、足も手と同じように腰腹と結んでつかわれなければならないことである。手と同じように、足が腰腹に結んでつかわれなければ、力も出ないし、技にならないのである。
手と腰腹を結んで、腰腹で手をつかうだけでも、腰腹の力が出るわけだから、手先だけの力よりも大きな異質の力であるが、足の力が加われば更に大きな力が出るのである。

しかし、足の力を技につかうのは容易ではないものである。その理由の一つは、足をつかうためには、やるべき事、つかい方などの理と法則があり、それに則ってつかわなければならないからであると思う。この理とか法則というのは、それをやらなければ出来ないし、それをやれば誰でも出来るという宇宙科学であると考える。

足と腰腹を結んで技と体をつかわなければならないが、手と腰腹が結ばなければそれは難しいはずである。先ずは、手と腰腹を結ぶ稽古をし、それが出来てから足と腰腹を結ぶ稽古に入ればいいと考える。