【第782回】 △○□

真の合気道は、「気△○□を根本として気によって技を生んでいく」と、大先生は教えておられる。長年、この“気△○□”を解明しようと研究してきたが、これまでその手掛かりになるようなものを見つける事が出来なかった。最近ようやく、“気△○□”とはこういう事であろうと思えるようになった。つまり、理合いと技で“気△○□”が多少分かったということである。今回は、これまで“気△○□”で分かった事をまとめて書いて見たいと思う。

まず、「気△○□を根本として気によって技を生んでいく」ための“気△○□”を理と言葉で表してみることにする。
最初の頭にある“気”は、次の△○□に技を生み出すために働いてもらう“気”(生命・宇宙エネルギー)である。つまり、まずはこの“気”を造り出さなければならない。
この“気”は布斗麻邇御霊の天之御中主神御霊から生まれることになる。阿吽の呼吸のアで息を吐き腹中に気を集めるのである。この気を高御産巣日の神と神産巣日の神に結び三角体をつくる。これが心を丸く体三面に開くの“気△”である。すると「△は気にして力を生じ、また、体の三角体は破れざる丈夫(ますらお)の姿勢を具備する」という事になるわけである。

この△から息を吐きながら、腰腹・手を横に回し、そして腰・腹・体軸を地と天に伸ばすと腰腹がよこ|たてじゅうじとなり、となる。これが気△○□の○である。
尚、体三面(半身)から━と|で十をつくるためにわかりやすい動きは“一教運動”である。この一教運動”の動きは、対正面打ちや横面打ち、また、対片手取りや諸手取りでもつかう基本的な動きであり、この動きをつかわなければいい技を産むのは難しいものである。
次は最後の□である。布斗麻邇御霊でも説明したと思うが、で息を吐いていくと、自然と引く息は吐く息に変わり、となる。これを大先生は、「ウ声を呼びながら舌をもっと下顎に突いて、杙のごとく、喰い入らしたなら(塞ぎきった目を一転して裏に開く形)、自然に「エ」と鳴ります。」と言われている。勿論、ウ声は、エ声はである。

この“気△○□”で技をつくり出していかなければならないが、“△○□”にはもう一つの教えがある。それは「△奇霊・荒霊、○和霊、□幸霊であり、これを物質的に見ますと△天・火、○水、□地であります。」である。
△は天と結び、そして大きな宇宙生命エネルギーを出す火なる気、○は火を抑える水である、和する気、□は天地人を結び安定させる気であるということではないかと考えている。つまり、気△○□は精神的、肉体的(物質的)にやさしくやったり、激しくやった、抑えたりと自由自在にできるということである。

また、顕界はこの世の現れた世界。幽界は物の世界、物の魄の世界。神界は神の世界と教わっているが、△は顕、○は幽は、□は神と言われる。
△の体三面に開くは目に見える次元の顕の世界にあり、○は体内での働きで目に見えない幽の世界、そして□は顕界も幽界も超越した神界での働きということだと思う。だから、大先生の技は、初めの体三面に開くだけは見えたが、後はどんなに目を凝らしても見えなかったわけである。

まだまだ△○□を研究していかなければならない。そしてその内に、何か新しい発見があればいいと思う。