【第778回】 宇宙の法則とは

合気道は技を練って精進していくが、この技は宇宙の法則に合していなければならない。例えば、大先生は「技は、すべて宇宙の法則に合していなければならない。宇宙の法則に合していない技は、すべて身を滅ぼすのである。このような技は宇宙に結ぶことができない。」と教えておられる。
これまで宇宙の法則に則って技をつかおうと努めてきた。例えば、陰陽十字の法則である。足も手も右、左、右・・と陰陽に規則正しくつかってきたし、手足や腰を十字々々につかってきた。お陰で技はそれ以前とは大分違い、上手くいくようになった。
しかし、宇宙の法則がこの陰陽十字だけだとは考えられないので、更なる宇宙の法則を探していた。

そしてそのきっかけとなる事を見つけた。大先生の教えである。まず、「この道は宇宙の道で、合気道の鍛錬は神業の鍛錬である。これを実践してはじめて宇宙の力が加わり、宇宙そのものに一致するのである。」(合気神髄 P.43)
つまり、合気道は宇宙の道であり、それが神業の鍛練であるということである。
また、「合気道は宇宙のいとなみが自己のうちにあるのを観得するのが真の合気道なのであります。」と大先生は言われているのである。つまり、宇宙の営みを自分自身に取り入れていかなければならないということである。それが出来るとしたら、宇宙の営みには法則がなければならないことになるだろう。

ここまでは頭ではわかったが、実際どのように技につかった稽古をすればいいのかが分からなかった。
しかし、その答えを大先生は用意されておられたのである。只、これまでそれに気づかなかっただけなのである。
大先生は、「フトマニ古事記によって、技を生み出していかなければなりません」「合気は天の浮橋に立たされて、布斗麻邇(ふとまに)の御霊、この姿を現すのであります。これをことごとく技にあらわさなければならないのであります。これはイザナギ、イザナミの大神、成りあわざるものと成りあまれるものと・・・。」と教えておられるのである。
つまり、宇宙の法則とは布斗麻邇(ふとまに)の御霊である。天地人が生まれ、成長するまでの営み・法則を記したものである。この布斗麻邇の御霊に則って技と体と息をつかって行けばいい、いかなければならないということである。勿論、布斗麻邇御霊にも法則がある。例えば天の呼吸の「天の呼吸との交流なくして地動かず、ものを生み出すのも天地の呼吸によるものである」である。今後は布斗麻邇御霊の法則を見つけ、身につけていくことになる。
恐らくこの布斗麻邇御霊こそが、究極的な宇宙の法則ではないかと考える。