【第759回】 コロナと猛暑で体が教えてくれた健康法

今年は、コロナと猛暑で合気道の稽古はこれまでになく大変だった。コロナのためのロックダウンで、数か月間道場が閉鎖され稽古が出来なかった事と、稽古が再開されても暑さのため息苦しくなったり、体が満足に動かなかったりした等である。
道場が閉まって稽古が出来なかった事は、家で自主稽古していたのでそれほど問題ではなかったが、体調がおかしくなったことには参った。
当初はどうなるのかと思ったり、これで稽古は続けられなくなるのではないかと、一瞬頭を横切ったが、何はともあれ何とかしなければならないと思った。

先ず、体調を通常にもどすためにはどうすればいいのかを考えた。問題があれば必ず原因があるし、その解決策がある。問題は息苦しさと体調の悪さと分かっているわけだから、後は原因と解決法を見つければいいわけである。
稽古での息づかいはイクムスビや阿吽の呼吸をつかっているし、技と体は陰陽十字などと法則に反しないつかい方をしているので、問題の原因は他にあると考えた。そこで稽古をやっていて息苦しさや体調が悪い場合、前の日々にどのような事をやったのかを思い返してみた。すると塩辛いモノを食べて塩分を沢山摂ったときに、稽古でその問題が起きている事がわかったのである。
そこで塩分をなるべく控えるように、目玉焼きやステーキには塩をふらず、みそ汁やスープも塩分を控えるようにした。その結果、この問題は劇的に改善されたのである。

しかし、息や体調は大分改善されたがまだ十分ではなかったのである。それで更なる追求をすると“お酒”に原因があることを突き止めたのである。お酒を飲んだ次の暑い日の稽古では体調が不安定で、頭がふらつき、スタミナもなくなり息切れがするのである。それに朝、起き上がる時に、くらっとすることもあるのである。そこで一週間ばかりお酒を控えてみると、猛暑の稽古も十分耐えられるようだし、ふらつくこともなくなった。即、大好きだったビール、ワイン、シャンペン(スパークリングワイン)、日本酒、焼酎等のアルコール飲料一切を止めた。というより、体がアルコールを拒否するようになったのである。無理に止めたわけではなく、体が自然と拒否するようになったのである。今では、アルコール入りのアイスクリームさへ食べられないようになってしまった。
アルコールのない生活など以前には考えられなかったが、有難いことに、アルコールのないビール、ワイン、スパークリングワインの他、チュウハイやハイボールまであるので引き続き“お酒”は満喫でき、残りの生活も満喫できそうである。

これで猛暑での稽古を問題なくできるようになったのだが、まだ、朝起き上がる際に、たまにふらつくこともあるので、まだ完全な問題解決には至っていないことがわかった。
この原因を考えると、以前も書いた、水の取り過ぎだと思った。水中毒がまだ尾を引いているわけである。特に今年の夏は猛暑の連続だったので、水を飲み過ぎたのだろう。
しかも、今回の水中毒は頭に及ぼしている事がわかったのである。水で頭の働きが正常にできなくなり、体をふらつかせたり、目まいを起こさせているのである。何故、それが分かったかというと、特に、猛暑の中稽古をしていると、頭に異常な汗をかくからである。この汗は、通常の身体から出る汗のようにねばこっさがなく、また塩分も薄くさらっとした汗である。また、この頭からの汗は身体からの汗が治まっても、更に流れ続けているのである。
そしてこの頭からの汗が十分出ると頭はすっきりし、体も問題なく、そして心地よく動いてくれるのである。取りすぎた水が頭に来ていたのである。
そこで水をとりすぎないようにするために、水をなるべく控えることと、汗、とりわけ頭に汗をかくことにした。頭に汗をかくためには、合気道の相対稽古がいいが、もう一つ、ぬるめのお湯にじっくりとつかって汗をかくのがいい事が分かった。普段なかなか読めない本を三十分から一時間かけて読んでいると、頭から沢山の汗が出てくるのである。後は水をがぶがぶ飲まないように注意するが、後は頭はすっきりする。

コロナと猛暑のお蔭でいろいろと教えて貰った。陽気のいい春や秋ではこの問題とその原因や解決策を見つけることはできなかったと思う。
今年のコロナと猛暑に感謝である。