【第745回】 感謝を忘れない
今年は記録的な豪雨による被害が西日本から東日本にまで広がった。熊本と福岡の二県では50人以上の死者が出たという(7月8日現在)。テレビを見ているとその災害のすさましや被災者の悲しみが伝わってくる。これからどのように生活していけばいいのか、不安であり、心配しているのがよく分かる。
今のところ、私のところは無事であり、災害に見舞われていない事に安心しているが、改めて日常の生活ができる事に感謝しなければならないと思った。被災者の皆さんは恐らく日常の生活に戻りたい、そしてこれまでの日常生活の有難さを思ったのではないかと思う。
物質文明の中に生きていると、人は感謝を忘れてしまったり、無視しているように思う。目に見える物のやり取りなどには感謝をするが、目に見えないモノに対しての感謝をしないようである。特に、相手の心、心遣い、親切、思いやり等に対して有難うと云わなくなっているように感じる。
更に、己自身や己の置かれている環境に対しても感謝を忘れているようである。
例えば、
- 合気道の稽古ができる事への感謝
- 仕事ができる事への感謝
- 普段の日常生活が送れることへの感謝
- 身体がこれまで通り動いてくれることへの感謝
- 頭がこれまで通り働いてくれることへの感謝
- 食欲がこれまで通りあり、美味しく食べられる事への感謝
- 便通や小便が、毎日、気持ちよく排泄してくれることへの感謝
- 毎晩、時間には眠りに入り、ぐっすり快眠できる事への感謝
- 朝気持ちよく目覚めることへの感謝
- 屋根のある部屋に住めることへの感謝
等々である。
尚、これらの感謝は更に細分化する。例えば、“合気道の稽古ができる事への感謝”では、稽古相手がいることや一緒に稽古をしてくれることに対しての感謝、稽古によって新しい事を身に付けたことへの感謝等々である。
感謝をすると、感謝しているものが良く見えるようになり、そして感謝したモノとどんどん仲良くなれる。感謝がなければ感謝されるべきモノは無視されたと、そっぽを向いてしまい協力してくれないだろう。それは他人もそうだし、自分自身に対しても同じであろう。
誰もが、誰に対しても、何に対しても感謝をするようになれば、自分自身も幸せになるし、世の中も快適になると思っている。地上楽園完成に近づくわけである。合気道の使命である。
感謝を忘れないようにしたいものである。
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