【第720回】 死神が去ったようだ

合気道にこれでいいということはないが、完成を目指して修業していかなければならない。そのためには少しでも長く修業を続けなければならないことになる。そして修業を長く続けるためには健康で元気でなければならない。膝が痛いとか、腰が痛いとかで体が動かなくなれば稽古は出来ないので、そこで修業は終わりという事になる。

これまでは技を掛けたり、受けを取り続けられるように怪我なく、そして足腰を痛めないように注意して稽古をしてきた。特に若い頃は怪我をしないように体に気をつければいいと思っていた。
しかし、年を取ってくると違う問題が出てくる。体以外に頭の問題である。頭がふらふらし、体もしゃきっとしないのである。正確に言えば、しなかったのである。
3,4年前、道場に通う道すがら頭が一寸ふらつき、おかしいなと思ったことが偶にあった。また、道場で頭がふらふらして受け身も取れない状態になり、稽古をしないで帰った事が1,2度あったのである。
その後、気をつけて生活し、稽古もしていたがその原因はわからず、騙し々稽古をやっていた。勿論、その原因を捜していたが、正直、私の合気道もこれで終わるかもしれないとも思ったものである。

まあ、お迎えが来ればそれも良し、なるようになると思い医者にも行かず、稽古もしていたわけだが、或る時その原因と解決法が突然分かったのである。
その原因は「塩分」の取りすぎである。何かが私に教えてくれたのである。不思議である。何かが導いてくれているとしか思えない。
思い当たることがあるので、この声に従い、塩分を取らないでみることにした。外食や加工食品は塩分が多いと言われるので、あまりやらない料理をし、塩抜きで料理したものを2,3日食べると、頭のふらつきは消えていったのである。正直、これで助かったと思った。
塩分が頭のふらつきの原因であり、死神であったわけである。
有難いことに死神は去ってくれたようだ。これで後何年かは修業を続けられる。有難いことである。

更に塩を加えなくとも野菜などの食品は美味しいし、そのものの味が味わえることが分かって嬉しい。また、スーパーなどで売っている加工食品などは塩分が多い事が改めて分かり、ピザやラーメンなどとても塩辛すぎて食べられなくなり捨ててしまった。これからは家でも外でも、出来る限り塩抜きや塩分の少ないモノを食べることにする。

「塩分」の取りすぎには注意した方がいい。特に高齢者は取りすぎが多いようだ。親戚や知り合いにも多いようなので注意をしてやることにする。死神に去って貰うために。