【第677回】 基本中の基本の形5つ

合気道は技の形(かた)の稽古をしながら精進していく。技とは宇宙の営みを形にしたものであり、形は一教や四方投げのような型である。
技は宇宙の営みを形にしたものといわれるが、宇宙の営みは我々常人の目に見えないモノである。それに反して形は、誰が見ても一教は一教だし、四方投げは四方投げであるから誰の目にも見える。

目に見える形は容易に出来るが、目に見えない技は難しいことになるわけである。
しかし、技には法則がある。宇宙の法則である。宇宙には二つの意味があると思う。一つは、138億年前にでき、無限の大きさの空間とその中の万有万物であり、もう一つは、時間と空間を超越した次元である。
この二つの宇宙の法則に則っているのが合気道の技というわけである。つまり、この宇宙の法則に則って技をつかわなければならないということである。法則に則らない技づかいをすれば、いい技は生まれないし、体を痛めると教えられているし、実際にそのような結果になっているから了解できる。

技は宇宙の営みであるから、技は無限にあることになる。人が技を無限に、そして完全に会得することは不可能である。だから、すべての技を会得することが合気道稽古の究極目標ではないだろう。
合気道の目標は、宇宙との一体化であるが、無限にあるだろう技をすべて会得しなくてもできる方法があるはずである。
それは宇宙の営みの真髄を会得することだと考える。神髄と思われる一つを知れば、それが10にも100にも1000にも拡大するはずだからである。
拡大したものが神髄であれば、更にネズミ算のように拡大することになるはずである。
ということは、宇宙の営みの真髄と思われる技の真髄を稽古すればいいのではないかと考える。
多くの形の稽古ではない。形を多く知っているのもいいだろうが、そうなると技が疎かになりがちである。形を知ることが大事なのではなく、技を身につけた結果、形ができれば、無限の形が生まれるだろうし、そして合気道が求める「真善美」の技の形が生まれるはずである。

そこで、宇宙の営みの真髄、合気道の技の真髄と思われる技の基本中の基本の形を書いてみることにする。

これらは合気道での基本中の基本の技の形であり、合気道の技の神髄を会得するためには必須であると考えるし、これができなければ先に進めないと考えている。