合気道は技を練り上げて上達していくわけだから、少しでもいい技になるように稽古をしていかなければならない。いい技とは、宇宙の営みに一致する技であり、宇宙と結びつく技でもある。
いい技を生み出すためにこれまでいろいろ書いてきているが、今回は呼吸、つまり息づかいが重要であるということを研究してみたいと思う。
これまでも、技は息で掛けると書いてきたが、息づかいは確かに大事である。まず、この事を再確認しなければならない。
息のつかい方ができなければ、技が効かないだけでなく、合気道の目標でもある宇宙との一体化へと、先にも進めないと考えている。
まずはイクムスビの息づかいを身につけて、それで技をつかうようにしなければならない。これは何度も書いてきているので詳細は省く。
次に、このイクムスビを基に、クーで体一杯に息を入れる。相手が手を掴んでいれば、相手は浮き上がってくる。坐技呼吸法はこの息づかいでやらないと難しいはずである。
しかし、やってみればわかるが、息を体いっぱいに入れるのは容易ではないだろう。ただ息を吸ってもできないのである。そこにも道があり、その道にのってやらなければ上手くできるものではないからである。
それではどうすれば体が息でいっぱいになるような息づかいができるかというと、それも開祖のお教えの中にある。つまり、開祖は、弓をいっぱい引っ張るように息を吸えば、技が生まれるといわれているのである。
弓を引く際の息づかいでやるのである。弓は勿論、和弓である。