【第595回】 高齢者の体をつくる5要素

高齢者、後期高齢と年を取るにつれて筋肉は衰え、体は縮み衰えてくる。これは自然の理で、程度の差、衰え始める時期などの違いはあっても、誰でも年を取るにつれて体は衰えてくる。
できる事は、その衰える速度を少しでも抑えることであり、鍛えることである。

そこで今回は、高齢になって体の衰えを少しでも抑えるため、つまり体をつくるためにはどうすればいいのかを研究してみたいと思う。

高齢者、後期高齢者が体をつくるためには次の5つが重要なポイントになると考える。

  1. 禊ぎ
    朝の運動である。体の各部位のカスを取り、体を柔軟にし、強化する。
    また、開祖が詔を唱えられておられたように、祝詞を唱えたり、お日様に手を合わせるのもいいだろう。
    大事なのは毎日やることである。
  2. 食事
    朝、昼、晩の食事をしっかり摂ること。なるべく決めた時間に食べ、栄養のバランスを考えて摂ることである。年を取ってくると食が細く。なってくるので、決めた量は食べるようにし、偶にはちょっと多めに食べて胃を膨らませるといい。
    食事によっても体重が変わるので、体重計で体重を計り、食事の調整をするといい。慣れてくると、自分の体重が分かるようになるし、食と体の調子との関係もわかるようになるはずである。
  3. トイレ(大便)
    トイレの時間を決めたら、もようしてもしなくても必ずトイレに行く。私の場合は、禊ぎ、食事、そして新聞を読み終わったら行くことにしている。トイレが成功すれば、頭も体もすっきりしてその日は気持ちがいいものだ。
  4. 歩く
    一日一度は外を歩くことである。雨が降ろうと風が吹こうと小一時間歩く。歩くと、仕事でつかった頭に溜まった血が体に廻り、凝り固まった手足がほぐれ、体のバランスがとれ、自分の体になったと感じるようになる。家の中だけでは、熊でもないから、1時間もうろうろ歩くのはできない。外に出ることである。その内に、自分のお気に入りの歩くコースが幾つかできていくから、その日の様子や体調でその中のコースを選べばいい。
    外に出ると多少緊張するものだ。この緊張もいい。
  5. 睡眠
    年を取ってくると熟睡できなくなってくる。眠りが浅かったり、何度か目を覚ましたりしてしまうようになる。道場で稽古をしたから熟睡できるかというとそうでもないようだ。昼寝などすると熟睡は難しいものだ。
    熟睡するのにはシナモンがいいというので、朝ミルクに入れて飲んでいるが、実験中である。
    睡眠に関しては、試行錯誤中であるが、睡眠も体づくりに大事であるということは確かだと思う。
合気道をやっている高齢者は、これに6.道場稽古が加わることになる。合気道の形稽古で体をつくっていくのである。どのように体をつくるかは「合気道の体をつくる」の論文で書いているので、ここでは省く。

高齢になっても体の衰えを抑え、体をつくるためには上記の5つ又は6つの要素が不可欠だと考える。