合気道の修業の目標は、宇宙との一体化である。
まだまだその目標と離れたところにいるので、宇宙との一体化とはどういうことなのか、宇宙と一体化するとどうなるのかはまだ不明である。ただ想像したり、夢みるほかない。
宇宙と一体化すると、宇宙とひびき合うようになるはずだと考える。何故ならば、開祖は、「天地人和楽の道の合気道 大海原に生けるやまびこ」と詠われ、そして、「この山彦の道がわかれば合気は卒業であります」(「合気神髄 P.182」といわれているからである。
つまり、「宇宙とひびき合う」ことが「山彦」であり、これを目指す道が「合気の道」であるから、この「宇宙とひびき合う」「山彦」が会得できれば、合気道の目標を達成したことになる、と開祖はいわれているのである。
それでは、合気道の目標である、宇宙との一体化、つまり「宇宙とひびき合う」ためにはやるべきことや、やった方がいい事があるはずなので、それを考えてみたいと思う。
先ずは、人の体と宇宙とがひびき合う可能性があるのか、何故、ひびき合うことが可能なのかを検討し、そしてその可能性を信じなければならないだろう。
この件に関して、開祖は次のようにいわれているのである。「人の身の内には天地の真理が宿されている。(略)天地万有は呼吸(いき)をもっている。(また、天地万有は)精神の糸筋をことごとく受け止めているのである。己が呼吸の動きは、ことごとく天地万有に連なっている。」
このように、人と宇宙は呼吸によって連なっているのである。後は、己のひびきを天地(宇宙)にひびかせればいいわけで、その方法も開祖は、「つまり
己の心のひびきを、五音、五感、五臓、五体の順序に魂の緒の動きを、ことごとく天地に響かせ、つらぬくようにしなければならない。」といわれている。
しかし、この開祖が言われている「天地に響かせる」方法は、すぐにはできないだろう。このためにやらなければならないことがあるはずである。
今度は、そのためにやるべき事、やった方がいいだろうと、私が思うことを三つばかり書いてみる。