【第33回】 歩の進め方と膝

合気道の稽古で、手と比べて、足の使い方は難しい。よほど注意して稽古をしないと進歩上達がとまってしまい、場合によっては膝を痛めてしまう。

足の働きは非常に重要である。足は地とむすび、地からの力を体の末端の手に伝えたり、体の移動を担うものである。この足の機能をスムーズに、そして効率的にするには、膝の使い方が大事になってくる。

まず、膝がつま先を越えてはならない。注意することは、膝下歩きをしないことである。歩を進めるときには、足から出ないで、腰がまず出て、その下に足がくるように歩き、腰の力が足の上に載るようにする。通常の歩きからはその重要さはなかなか分からないだろうが、1本歯の高下駄(写真)を履いて歩いてみればよくわかる。こうしないと身体が不安定になるか、ひっくり返ってしまう。勿論、ナンバの歩法は必要不可欠である。

その他、股関節を柔らかくすることも必要である。膝を柔らかくすることで、地からの力を腹から手に貫けるようにするのである。