【第126回】 手足を陰陽で連動して使う

日本のいろいろな武道や武術には、共通する必須要因があるようだ。例えば、ナンバである。合気道でも、手と足と肩と腰の同じ側が連動して動くナンバでなければならない。そして手足は陰陽で、交互に、そして連動して使わなければならない。これがスムーズにいかなければ技は掛からない。慣れないうちは、手足が陰陽で連動するように上手く使うのは難しいので、三段階に分けて稽古をするといいだろう。先ずは、手だけ左右、陰陽に交互に使うよう注意して技をかける稽古することである。例えば、右手が相手に触れたなら、次は左手を遣い、次は右手と遣う手を交互に変えるのである。

次は足を、手と同様に、左右、交互に使う稽古である。決して両脚で踏ん張って居ついたり、右・左・右と動くところを右・左・左などとしないことである。

手と足がそれぞれ上手く使えるようになったら、今度は手と足を連動して、左右、陰陽に交互に使うようにするのである。この為のポイントとしては、手と足が常に腹としっかり結びついていることと、正しい息遣いでその息遣いに合わせて動くことである。つまり、手足を動かすのは、末端の手足ではなく、その対極にある腹や腰を、息に合わせて使うのである。

手足を陰陽で連動して使うのは、限られた技に対してではなく、すべての技で行なわれなければならないので、どの技を稽古しても、この手足を陰陽で連動するための体つくりが出来るはずである。しかし、相手がいるので、この稽古は中々難しく、よほど集中して稽古をしないと、身に着かないものである。

まずは「手足を陰陽で連動して使う」ことが身につき易く、分かり易い技や稽古法があるので、それで「手足を陰陽で連動して使う」体をつくる手始めにすればよいと考える。

1.体さばき(入身転換)
2.両手取り天地投げ
3.後両手取り四方投げ
4.後両手取り小手返し
5.後両手取り回転投げ 
6.正面打ち一教(特に裏)
7.正面打ち入身投げ
8.正面打ち三教
9.半身半立ち四方投げ
10.座技呼吸法