気は凝結力と引力があることがわかったし、その凝結力と引力で技もつかえるようになってきたので気が分かったと思っていたが、まだまだ気は分かっていない事が分かった。例えば、気には威力があり、魄(肉体、体)の力は気(の力)には敵わないとされているが、それがどういうことなのか、どうすれば実感出来るのかが分からなかったのである。大先生は、「心は自在に生む、気は一切を支配する本源である」(合気神髄 P.154)と言われているが、気が本源である実感もなかったのである。
前回の第1011回「気を出し、気を感じ、気をつかう稽古法」の稽古を続けていて、気について気の威力や気が一切を支配する本であることを実感することができたのである。そしてそれで片手取り呼吸法や正面打ち一教をやると気の威力と働きが発揮されるのである。体(肉体、魄)で押したり引いたりして倒したり決めたりするのではなく、それを気でやるのである。
要は、体(肉体、魄)が体(支点、土台)となり、気が用となるということである。体は支点、土台となり、その上・表・中・先に気が働き、そして体を動かし、導くのである。気が一切を支配するわけだから体も支配することになるわけである。
それでは、「体は体、気を用」を具体的にどのような稽古鍛錬をすればいいかというと、次のようにやっている。