【第1003回】 神と一緒

第1001回で、神と共に上達しなければならないということと、その上達には三つの段階があるということを書いた。

  1. 神の教えで上達する 
  2. 神と一緒・神のサポートで上達する 
  3. 神になって上達する
である。
そして1001回以降は、まずは2)神と共に・一緒に上達していきたいと考えている旨を書いた。

神と共に・一緒に上達するとは、神さまが守り、導いてくれるということであるが、まずはそんな事が有り得るのかという疑問を持つだろう。喩え、それが有り得るとしても、それは大先生だから、大先生にしか出来いのではないかと思うのではないだろうか。私もこれまではそう思っていた。大先生だから神様が付き、神様が導いてくれたのだと。
しかし、今は違う。大先生の話だけでなく、己自身をよく観察して見ると、神に助けられ導かれている事がわかる。当時はそれは偶然で、たまたま助かったと思ったが、よく考えてみると偶然では済まされないことであり、また、そのような命に関わるような偶然が、偶然以上に起こっていたのである。何かが我が身を守ってくれている事を実感するのである。その守ってくれ、導いてくれる何ものかを“神“と呼んでもいいだろうと思うようになった。
神は命の危険から守ってくれるだけではなく、いろいろと分からないことを教えてくれたり、導いてくれる。難解な『武産合気』『合気神髄』を分かるように導いてくれたり、合気道の進むべく道に導き、軌道修正してくれるのである。自分ひとりだけでは到底無理である。

このような状況にあるとき、大先生の高弟であり、養神館館長であった塩田剛三先生の著書を書棚で二冊見つけ、目を通すと今回のテーマ“神”に相応しい話を見つけたので書き抜きして見る。大先生が神と共にあったということである。 塩田先生は神様にお世話にならないで、自分だけの力に頼るタイプの方だったが、神の存在は信じ、大先生が神と共に修業されていた事も認めておられるのがよく分かる。
私は非力なので神様に支援して貰いたいと思っている。神様と仲良くなり、一緒にできればいいと修業を続けるつもりである。


参考文献
『塩田剛三 合気道修業』(竹内書店新社)
『塩田剛三 合気道人生』(竹内書店新社)