【第14回】 稽古ができるのは幸せ

合気道の稽古を続けられる人は幸せである。しかし、幸せな人はその幸せに気付かないものだ。続けたいと思っても続けられなくなって初めてそれに気付く。

合気道の稽古が続けられるには、少なくとも次の条件が揃っていなければならない。 体力、金、時間である。この内の一つでも満たされなければ稽古は続けられない。

学生など若いうちは体力と時間があるが、金がない。金がないとアルバイトなどするので時間もなくなることになる。
仕事をもって働きながら稽古をしようと思うと、体力や金があっても時間がなくなり、続けるのが難しい。

高齢者になれば、時間と金には余裕ができるが体力が問題になってくる。
若者は時間、そして高齢者は体力と、稽古を続けるにあたっていつの時期にも問題があるわけである。

しかし、現実に150万人からの老若男女が稽古をしているのである。これらの人にも問題はあるだろうが、稽古を続けられるのは"やる気"の強さであろう。"やる気"が強ければ、体力、金、時間をなんとかある程度やり繰りすることも出来るはずだ。"やる気"を起こすものにはいろいろあるし、人によってそれらの比重はちがう。
いづれにしても、稽古が出来るということは、少なくとも3つの要素(体力、金、時間)に恵まれているのだから、稽古を続けられる自分の幸せに感謝すべきであろう。