最近、ようやく魄に頼った稽古から、息を主体にする稽古に変わりつつある。魄から魂の稽古への移行期であろう。
これまでの体や力に任せた稽古から、息が主体となり、息によって技を掛け、体をつかっていくのである。技を掛ける際はむろんの事、受け身の時も息でやるのである。息はイクムスビ、阿吽の呼吸である。
技でつかう息づかいは、準備運動や柔軟体操でも同じである。イーとちょっと息を吐き、そこからクーと息を引いて限度までのばし、そして更にムーで息を吐いて極限まで伸ばし切るのである。開脚の柔軟体操だけではなく、指や手首などの柔軟運動でも同じような息づかいでやるのである。
この息づかいになれてくれば、この息づかいで何でも自然とやるようになる。例えば、お辞儀、礼である。道場に入る際、先生へのご挨拶などもイクムスビとやる。
前から、お辞儀ができないのは、例えば、半身半立ちの四方投げや座技呼吸法などは出来ないと言ってきたが。つまり、お辞儀が出来ないということは、お辞儀でこの息づかいができないわけだから、技もできないことになるわけである。
息で体や技をつかうのだが、息のつかい方にも法則がある。それは、先ずは天地の縦の息から始める事である。縦の息で縦の軸がしっかりし、それから横の息で、横に手足を動かすのである。まずは縦の息でしっかりした態勢を整えなければならないことになる。
イクムスビの中のクーが特に重要に思うが、この息づかいは、慣れない人には容易ではないようだ。その原因は、