【第577回】  原点に帰る

合気道の稽古を20年、30年と続けていると、どうしても惰性で稽古をしてしまい勝ちである。これまでの稽古の延長線上でやってしまったり、このまま稽古を続けて行けば上達するものと思ってしまうのである。
稽古は長く続ければ上手くなるというものではない。上達するためには長年稽古をしなければならないが、それは必要条件ではあるが十分条件ではない。
上達するためには確かに時間が掛かるが、上達するような稽古をしなければ上達はない。
それはどのような稽古なのかは、上達するためには何を、どのようにしなければならないのかは、これまで500篇にわたって書いてきた。

今回は、上達のために最近とくに気になり、気づいたことを書いてみることにする。
気になるというのは、非常に基本的なことであることを見過ごして稽古をしていて、上手くいかないと嘆いている稽古人が多いことである。
基本的なことを知らなかったり、無視・軽視して稽古をしても、上達はあり得ないわけだから、それを身につけなければならないことになる。
従って、もう一度初心に戻って再スタートすること、つまり、原点に帰ることである。

原点に帰るとはどういうことなのかというと、次のような基本的な事を改めて勉強し、技の稽古で試し、会得していくということである:

長年稽古をしていると、これらのことはわかっているように思ってしまうのだが意外とわかっていないものなのである。もう一度初心に戻り、原点に帰ってみるのが更なる上達の道であると考える。