【第71回】 体さばき(2) 入身(いりみ)

合気道の基本的な体さばきには、「転換」(前稿参照)の他に、もうひとつ「入身」がある。「入身」とは、相手の側面死角に半身で転位することである。なんでも基本的なものは容易に見えるが、それをマスターするのは、実際は非常に難しい。「入身」も然りである。

「入身」の体さばきで、典型的な合気道の形としては「入身投げ」がある。この形は名前が示すよう「入身」(身を入れる)して投げるということで、「入身」が出来なければ相手を投げることができない。この形で「入身」をする場合、自分と相手を結ぶ中心線上にシュモクで立ち、気を相手にぶつける(気の体当たり)。手と足は連動しナンバで使う。手は自分の正面で使う。半身で相手の側面の死角に入るが、体は決して捻らず平面に使う。「入身投げ」は「入身」で相手の側面死角に入るのが最も重要であり、「入身」をきちっとやらないで投げても意味が無い。

「入身」の体をつくるため、次の形を繰り返し稽古するといいだろう:
〇 入身投げ
〇 天地投げ
〇 突き(素手、短刀、杖)
〇 太刀取り・さばき