【第62回】 旅行中の体のつくり方

通常は家で規則的に寝起きし、会社に行ったり、稽古に行ったりしているわけだが、時には出張や休暇などで家を離れることがある。家で寝起きして、いつもと変わらない生活をする中なら、道場に稽古にも行けるし、自宅での自主稽古もできて、体を鍛えることが容易であるが、旅行に出ると体を鍛えることが難しくなる。その上、旅行中はどうしても食べ過ぎたり、運動不足になりやすく、体調を崩しがちである。特に、海外旅行では時差の関係もあって、体調を保つのは難しいし、体つくりとなるともっと難しいものである。

海外出張などでホテルに泊まると、早朝や夕方にジョギングをしたり、ホテルのプールで泳いだり、スポーツルームで体を動かすこともできるが、そういう設備の整ったホテルに泊まるとは限らないし、時間も取り難いだろう。

通常の生活でもそうだが、旅行でも手足など上半身はよく使っても、下半身は意外と使わないものなので、下半身を使う運動をすると効果的である。中でも時間をあまり取らず、どこでもいつでも、そして手軽に出来る下半身を鍛える運動はというと四股である。毎朝、朝食前に100回ぐらい四股を踏めば足腰がしっかりしてきて、股関節が柔軟になり、体が沈み、足が地に結びつくようになる。但し、四股を踏む場合、四股を踏み終わったらそのまま腰を落とし、仕切りの手をつくまでやって一回と数えなければならない。仕切りをすることによって、股関節が開き、柔軟性がでるのである。

四股はちょっとしたスペースがあればできるし、100回踏んでも10分前後ですむ。ただ、部屋の中でやる場合は、上げた足を静かに下ろすよう気をつけなければならない。四股を踏めば、下半身が柔軟になり、筋肉がつくだけでなく、胃腸もすっきりし、食べ過ぎの解消にもなる。旅行に出たら四股を踏むことをお勧めする。