合気道の技の形の多くは剣から来ているといわれる。確かに正面打ちや横面打ちは剣の打ちであるし、正面打ち一教や二教、四方投げ、入身投げなどは剣の動きである。
従って、合気道のいい技をつかうためには剣も研究しなければならないことになる。
剣から来ているものの一つに刃筋を立てるがあると考える。剣で切っても刃筋が立っていなければ切れないと同じように、合気道の技も刃筋が立っていなければ技は効きにくい。正面打ち一教で打つときも、受けるときも、手刀での刃筋を立て、入身投げも刃筋を立てた手刀で受け、接し、切り落さし、四方投げは刃筋を立てて相手の胴を切り、そして転換したら頭から真下に切り下さなければ上手くいかないし、また二教、特に交差取り二教は、刃筋を立てた手刀でなければ効かないものである。
手刀の刃筋が立つためには、手先(手首から先)がしっかり、つまり気と力で満ちていなければならない。手先を気と力で満たすのは息だろう。手先で息を吸い(引き)、息を吐くことで手先をしっかりさせるのである。手先をしっかりさせて刃筋を立てると腕にも気と力が満ち、手(手先から肩まで)が名刀のようになる。この手を名刀のように刃筋を立てて技につかっていくのである。また、この手に剣を持って合気道の技で動けば合気剣ということになるはずである。
手刀の刃筋を立たせ、手を名刀としてつかうための稽古法がある。これは有川定輝先生が晩年に教えて下さったものである。これは以前紹介したが、今回はもう少し詳しく説明する。
それは手刀による米(こめ)の字になる8つの太刀筋の鍛錬法である。この太刀筋の方向を時計の針で示すことにする。
尚、名前は適当につけたものであり、古流剣術の順や名前と違っている。