初心者の内は、稽古は道場に行かないとできないものと思っているが、上達するにしたがって道場だけの稽古では物足りなくなってくる。家で木刀や杖を振ったり、山歩きで足腰を鍛えたりするのである。
更にその自主稽古が発展すると、風呂に入っているときも、街を歩いたり、散歩しているとき、また道場へ通う道すがらや電車の中でも体を鍛える稽古をするようになる。
稽古はどこでも、いつでも、やろうと思えばできるものである。
それで今回は、道場に道着を入れたカバン(バッグ)を下げて行く際にもいい稽古ができることを書いてみる。
まず、道場に行くには道着を持参するわけだが、それも稽古であると思わなければならない。というより、稽古に結びつけなければならないと考える。少しでも楽しようと、肩に下げたり、リュックサックで背負ってしまえば稽古にならないし、かえって体を壊すことにもなる。
有川先生は、稽古の後にご一緒した時先生のカバンをお持ちしたのだが、先生からカバンを持つのはいい稽古になるといわれていた。当時はその意味が良くわからずに、これまでその意味を知りたいものと道着を入れたカバンを持って歩いているが、最近、その意味が分かってきたのでまとめてみることにする。