前回の第558回では「体をつくるとは」と、合気道の体づくりの全般的な概要を書いた。今回は、「息で体をつくる」というテーマで、体づくりを具体的に書いてみることにする。
合気道の相対での技の稽古をする上でまずい体(体幹や手などの体の部位)とは、芯が通っていない、折れ曲がる、真っすぐにならない等であろう。このようなまずい体で技を掛けても、力が出ないし、出した力が戻ってきたりして、力が十分に発揮できず、技も効かないことになる。
技の稽古において、体に芯を通したり、折れ曲がらない手をつくったり、日本刀のような真っすぐな手をつくるわけであるが、相対の稽古ではそれは難しいものである。何故ならば、相対での稽古では注意が別の方にいってしまい、それに集中できないからである。
従って、まずは自主稽古での一人稽古でその体づくりをすればいいだろう。
そしてこの自主稽古をやっていくとわかるのだが、芯が通る、折れ曲がらない、真っすぐな体や体の部位をつくるのは、息づかいによる稽古によって身に着くのである。
例えば、息づかいによって、伸びる指、手先、腕の稽古をすると、折れない手、腕の稽古になるし、また、曲がらない、真っすぐになる稽古にもなるわけである。
それではどのような息づかいの稽古をすればいいのかを、紹介する。
それはイクムスビの息づかいでやるのである。