【第226回】 十字の稽古

合気道は十字道とも言われるというように、合気道の技は十字で掛かるようにできている。十字は自然であり、宇宙の条理に則った法則である。なぜならば、合気道の技は宇宙の法則、宇宙の営みを形にしたものであるからである。合気道の技を身につけることにより、宇宙の法則を体に取り入れ、宇宙と一体化していくのが合気道であろう。

十字を自覚し、体に取り入れるには、合気道の技を通すのが最も容易であると思う。正しくやれば、老若男女だれでもそれ相応にできるだろう。 6月にフランスの講習会でやった稽古のテーマのひとつに、「十字の体遣い」があるが、そのときの2時間の稽古プログラムを紹介する。

今回は、手の十字を中心にやったが、足、体も十字に遣われなければならないし、手、足、体が一体化して遣われなければならないので、手の十字だけでは不十分である。しかし、一緒にやるとますます分からないだろうし、手の十字が分かれば、他の部位の十字の遣い方も分かりやすいだろうから、手の十字だけをやってみた。