【第76回】 無限の知恵

学校でも会社でも家庭でも、必要なときは自分でもびっくりするような知恵がでてくる。それまで誰かに聞いたことでも、どこかに書いてあったことでもないものである。その内の多くは、恐らく人間として、生物として、長い間蓄積された遺伝子であるDNAからの情報であろうが、幾つかの知恵や情報は、過去の人類や生物には経験できたはずのない、未来的なもので、それはDNA以外からのものであるということになる。

宇宙が出来た137億年前には何もなかった。そして何もないところから、今では無数の星があり、太陽の周りを惑星が回り、地球には人間が住み、動植物が生息している。何もないところから、モノができているのである。これは今の科学では解決できない摩訶不思議である。

これまで多くの研究者が数々の宇宙論を提唱してきたが、その一つにイギリスのフレッド・ホイル氏達によって「定常宇宙モデル」が提唱された。曰く「これは、宇宙の真空自体に物質を次々に生み出す力が秘められており、宇宙は永遠の昔から、湧きだしつづける新しい物質によって、内側から押し広げられていた。」(「ムー」07年10月号)
何もないように見える宇宙の中にあるエネルギーを開祖は「真空の気」と言われた。開祖はこの「定常宇宙モデル」など当然ご存知なかったわけだが、ご自身の体でこの宇宙の真空エネルギー、「真空の気」を感得されたのであるから、超人的な感覚を持たれていたわけだ。

合気道は、「真空と空のむすびのなかりせば合気の道は知るよしもなし」(道歌)と言われるように、「真空の気」(宇宙のエネルギー)を感得し、それを駆使しなければ分からないとされる。
先人の残してくれた情報や知恵を大切に使わせてもらうのも大事だが、宇宙にある無限の知恵も使わせてもらわなければならない。