【第361回】 合気道は自己を知り・・・光りある妙技をつくること

合気道を長年稽古していても、合気道とは何か、何を目標に稽古をするのか、分らないままであり、また、そういうことを考えずに、続けている稽古人が多いようである。別にそのようなことを考えなくても、稽古はできるのだから、とやかくいう必要もないだろう。だが、これは稽古をするものにとって基本的な最重要課題であると思うし、また、下記のように、開祖はわれわれ稽古人に真剣に伝えようとされていたわけだから、この課題に取り組んでみたいと思う。

開祖は「合気道は自己を知り、大宇宙の真象に学び、そして一元の本を忘れないで、理法を溶解し、法を知り、光ある妙技をつくることである」(「合気真髄」)といわれている。これが、合気道とは何か、何を目的に稽古をしていくか、の回答ということになるだろう。

そこで、開祖がどのようにお考えだったのか、これはどのような意味なのかを、考えてみたいと思う。

上記の5つのことは、他人には外から見えないので、どの程度分っているのかは見えないだろう。だが、この光ある妙技は、他人にも自分にも見えるものである。つまり、技を見れば、上記のことがどれだけわかっているか、身につけられたか、がわかるはずである。妙技をつくるために、上記の件をより深く、広く、身につけていかなければならないだろう。