【第24回】 △〇□

三角は絶対不敗の構えといわれる。三角の頂点は鋭角で、相手の中心に無限に食い込むことができる。この体勢、立ち方を半身という。立ち方にはこの他に、真向かいと一重身がある。真向かいは顔も体も相手に向ける立ち方で、一重身は相手に対して横向きになって立ち、体をひねらず顔だけ向ける立ち方である。

合気道で技をかける場合、この三角法(△)で気の体当たりをし、そして体の体当たりをする。相手と結んだら、丸く(〇)さばいて、四角(□)におさめる。△は気の力が生じることと、三角体という絶対不敗の体勢、〇は千変万化、円熟万枝を生む体、□は精神と魂の安静を表すシンボルともいわれる。

剣や杖の動きでも、三角法でやれば、相手が打ったり、突いてきても自分は相手の剣線や杖線をはずし、さらに相手を自分の懐にいれてしまうことができるようになる。

合気道の動きは、「心を丸く、体三面に開け」といわれている。そして「磐石の体勢(□)で収めろ」ということである。初心者は技が切れたり、中心を失ったりして体勢がしっかりしないが、少なくとも、技をはじめるときと(△)、技を終了したときはしっかりした美しい体勢(□)を意識して取るべきである。

合気道では、△〇□の気の熟したのを合気であるといわれる。
開祖は△○□が一つになって、さらに丸くなることが合気道の実行であるとされている。先はまだまだ遠い。