【第225回】 言葉と技

合気道の創始者である植芝盛平翁は、われわれ後人が合気道を精進できるようにと言葉と技を残された。言葉は、開祖の生の声も指すが、開祖の言葉を文字にした言葉も含む。もし合気道を言葉で残されていなければ、後のものは道を失い、合気道はいずれ別なものになるか、多くの武術が辿ったようにいずれ消滅したかもしれない。

有難いことに、開祖はいろいろな方々の協力のもとに、貴重な言葉を残されている。合気道には言葉があり、技がある。だから、誰でも、どこでも、いつまでも、いつの時代になっても、精進し続けることができるはずである。

合気道は、技を練磨してそれを身につけることによって精進していくが、ただ無闇に体を動かせばいいものではない。合気道の技は、宇宙の法則に則ったものでなければならないからである。しかし、この宇宙の法則とか条理というのは、我々凡人には中々分かり難いものである。それが分かる唯一の方法が、開祖の言葉を理解し、それを合気道の技で体現してみることでしかないだろう。 つまり、開祖の言葉に則った技遣いをし、体を遣わなければならないということになる。

それ故、まずは開祖の言葉を研究することであるが、その為には、次のような資料があるだろう:

また、開祖ご本人が残した言葉もある。 さらに、先人や先輩が開祖から直接聞かれた言葉も、書籍で紹介されている。 例えば、 もちろん、これ以外にも多くの書籍や文献があるだろうから、それによって開祖の言葉をもう一度、熟読玩味して、少しでも理解するように努め、それを技に生かすようにしたらよいのではないか。思想のない技をやっても意味はない。